そうして、20年
その頃、おそらくソウルメイトの彼と出会って、不思議な時間を過ごしていた。
心地良さと、不安と、はかなさと。
胸騒ぎは的中で、その後別の道に進んだ二人は、また再会した。
何度も再会した。
数分だけの再会。
それぞれの立場での再会。
期待を押し殺してるうちに、
ときめきの波も穏やかになり、
そうして、知り合って20年目。
激しい波にもまれた感情は、
長い時間研磨されて、
かけがえのない宝石になった。
光を浴びると光を閉じ込めて輝く。
何もじゃましない透明で澄んだ、
でも質量世界一の心の中の宝石。
時にブラックホールみたいに私を引き寄せる。
そんな時は涙が出て、宝石の価値をさらに知る。
こんな気持ちになれただけで、幸せだ。